インフルエンザの流行がピークを迎えます
どうもamotasです!
最近病院でもインフルエンザ患者が増え、職員でもインフルエンザにかかる人が増えてきて、インフルエンザのピークを迎えているのを肌で感じています。
僕が知っているインフルエンザに対する知識を書いてみましたので、参考にして頂けると幸いです!
目次
- 1インフルエンザとは
- 2インフルエンザの症状
- インフルエンザとかぜの違い
- 4インフルエンザのハイリスクグループ
- 5インフルエンザの予防
- 6インフルエンザの治療
- 6-1内服(飲み薬)
- 6-2吸入薬(煙を吸う薬)
- 6-3点滴
- 7インフルエンザ脳症
- 8インフルエンザの診断から登校や出勤の再開まで
- 最後に
1インフルエンザとは
インフルエンザウイルスによって引き起こされる急性感染症。略称としてインフル(英語: flu)がある。
季節性インフルエンザには、A型、B型、C型の3種類があり、全ての年齢層に対して感染し、世界中で繰り返し流行している[1]。日本などの温帯では、季節性インフルエンザは冬季に毎年のように流行する。通常、11月下旬から12月上旬頃に最初の発生、12月下旬に小ピーク。学校が冬休みの間は小康状態で、翌年の1-3月頃にその数が増加しピークを迎えて4-5月には流行は収まるパターンであるが、冬季だけに流行する感染症では無く夏期にも流行することがある。A型は平均相対湿度50%以下になると流行しやすくなると報告されている。
全世界では毎年300-500万人がインフルエンザが重症化し、25-50万人の死者を出している[1]。先進国における死者は65歳以上人口が最も多い[1]。また病欠・生産性低下といった社会的コストも大きい[1]。感染経路は咳やくしゃみなどによる飛沫感染が主といわれている。一般的には経口・経鼻で呼吸器系に感染する。飛沫核感染(空気感染)や接触感染など違った形式によるものもある。
2インフルエンザの症状
インフルエンザウィルスの潜伏期間は約1-3日。
続いて、
約1-3日で突然の38℃以上の高熱や関節痛、筋肉痛、頭痛などの他、全身の倦怠感(だるさ)、食欲不振などの全身症状が強く現れます。
そこから遅れて、せきやのどの痛み、鼻水などの呼吸器症状が現れ、
腰痛や吐き気などの消化器症状を訴えある事もあります。
通常は、10日前後で症状が落ち着きます
インフルエンザとかぜの違い
インフルエンザ かぜ
発病 急激 ゆるやか
発熱 38℃以上の高熱 あっても37℃台
強い全身症状※1 ある ないか、あってもまれ
上気道炎症状※2 全身症状の後から 最初からみられます
咳 強いことが多い 軽い
※1:悪寒(寒気)、頭痛、関節痛、筋肉痛、倦怠感(全身のだるさ)など
※2:のどの痛み、鼻症状(鼻水、鼻づまり)など
この中でも特に働いてて病院でよくみるのが、38度以上の発熱と全身症状です。
4インフルエンザのハイリスクグループ
次の方はインフルエンザに罹ると重症化しやすいといわれています。
- 高齢(65歳以上)
- 小児(5歳未満)
- 妊娠中
- 肥満
- 基礎疾患がある
- 慢性呼吸器疾患(喘息、COPDなど)
- 慢性心疾患(心不全、冠動脈疾患など)
- 代謝性疾患(糖尿病)
- 腎機能障害(透析をされている方など)
- 免疫機能不全(ステロイド内服、免疫不全など)
実際に重症化して、人工呼吸器を装着するまでに至った例を何度か見たことがあるので、無理をせずおかしいと思ったら医療機関を受診してください。
5インフルエンザの予防
インフルエンザはせきやくしゃみによる飛沫や接触によってウィルスが体の中に入って起こるので、体の中に入るのを防ぎましょう。
飛沫感染:感染している人のせき・くしゃみにより発生した飛沫を吸い込む
接触感染:感染した人が触った直後のドアノブなどに触り、そのまま目や鼻、口に触る
5-1日常生活の中でできる予防法
- 十分な栄養と睡眠をとることで抵抗力を高める
- 外から帰ったら手洗いとうがいを心掛けましょう
- アルコールを含んだ消毒液で手を消毒する
- 人ごみを避ける
- マスクの着用
- 体を冷やさない※3
※3:体温が1℃下がると免疫力は約30%低下するといわれています。
5-2インフルエンザワクチンの接種
インフルエンザのワクチンは、その年に発生するウイルスの流行予測に基づいてつくられます。
ワクチン接種でインフルエンザの発症を完全に防ぐことはできませんが、かかっても発熱などの症状を軽くしたり、重症化を防いだりする効果があります。
6インフルエンザの治療
インフルエンザの主な治療法は、抗インフルエンザウィルス薬の使用です。
抗インフルエンザウィルス薬は48時間以内に使用すると、
服用していない場合と比べて、
発熱期間が1-2日短縮するといわれており、体外に排出されるウィルスの量を減らしたり、症状が改善されます。
6-1内服(飲み薬)
6-1-①オセルタミビル(タミフル)
多くの方が耳にしたことのある薬ですよね。
カプセルとドライシロップがあり、
吸入薬が使えない1歳から4,5歳の子供でも使う事が出来ます。
投薬期間:1日2回/5日間
6-2吸入薬(煙を吸う薬)
6-2-①ザナミビル(リレンザ)とラニナミビル(イナビル)
少量の薬をウィルス増殖の場である気道に直接作用させるため、飲み薬に比べて前進への副作用が少ない。
しかし、上手に吸入できるのは5歳ぐらいからで、上手く吸入できないと治療効果が十分に発揮できない。
投薬期間:リレンザ(1日2回/5日間)、イナビル(1回/日のみ)
6-3点滴
6-3-①ぺラミビル(ラピアクタ)
飲み込む力の弱い高齢者や重症で薬の服用や吸入が出来ない患者でも確実に治癒できるのがメリットです。
ただし、点滴に15分以上かかるため、混雑した診療所や外来では利用しにくい事がある。
投薬期間:1回/日のみ
抗インフルエンザ薬を服用して熱が下がっても、体内のウィルスがすぐになくなるわけではありません。
症状が改善したからと言って、服用を途中でやめると、体内に残っているウィルスが周りの人に感染する可能性があります。
抗ウィルス薬は必ず最後まで服用して下さい!
抗インフルエンザ薬の使用適応について詳しくは下記参照
http://www.kansensho.or.jp/guidelines/110301soiv_teigen.html
日本感染症学会
7インフルエンザ脳症
インフルエンザを発症した後に症状が悪くなる病気で、
主に5歳以下(特に2歳以下)の小児にかかります。
年間200-300人にインフルエンザ脳症が発生し、死に至ることもあります。
インフルエンザの症状に加えて意識障害、意味不明言動、持続するけいれんといった症状が現れます。
また、いくつかの強い解熱剤によりインフルエンザ脳症がより重症化することがあるので、解熱剤の使用は医師に相談してください。
7-1インフルエンザ脳症による異常言動・行動
- 両親がわからない(人を正しく認識できない)
- 自分の手を噛む、食べ物とそうじゃないものの区別がつかない
- 幻覚が見える
- 意味不明な言葉やろれつがまわらない
- 恐怖感
- 急に怒ったり、泣いたり、歌いだす
- 興奮状態になる
- 窓を開けてベランダに出ようとする
- 不明な言動を言い、部屋の中を駆け回る
上記の症状が見られたら、速やかに医療機関を受診してください!
7-2異常行動の事故
小児のインフルエンザでは、インフルエンザ脳症とは別に、異常行動が約10%にみられます。
ほとんどが、発熱1-2日目にあらわれ、1-2日間で軽快します。
極めてまれですが、異常行動の結果、転落死による死亡事故が起こる場合があります。
異常行動は抗インフルエンザ薬を使用しなくても報告されているので、
インフルエンザと診断されて、少なくとも2日間は、異常行動による事故を防ぐために、小児や未成年が一人にならないように注意してください。
8インフルエンザの診断から登校や出勤の再開まで
8-1小児の場合
発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあたっては3日)を経過するまでとなっています。
8-2成人の場合
成人には、インフルエンザと診断されてからの出勤再開に関しては特に決まりはありません。
基本的には発熱がなくなってから2日目までは外出しない方が良いでしょう。
最後に
インフルエンザは油断すると本当に重症化する病気です。
「まぁ大丈夫か」が後悔する事になる場合もあります。
どんな病気もそうですが、少しでもおかしいなって思ったら、必ず医療機関へ受診してください。
今回の記事が皆さんお役に少しでも立てればうれしいです。