僕が看護師になりたかった理由
どうもamotasuです。
看護師として働いてはや11年が経ちました。
看護師として長く働いていると初心を忘れてしまう。
時としてあんなになりたかった看護師を辞めたいやめたいとさえ思う事もある。
もう一度自分がなぜ看護師になりたかったのか。
それを思い出そうと思った。
幼稚園から仲が良かった女の子がいました。仮にA子としましょう。
小学生の時は男だとか女だとか気にする事もなかったので、良く一緒にあそんだりしていました。
たしか、あれは小学校の授業参観日でした。
もちろん、その女の子のおかあさんも来られていたんでですが、いつもと違っているのは、泣いていました。
なんで泣いているのか聞くと、「A子が病気になった」と。
突然Ⅰ型の糖尿病になってしまったんです。
僕は当時その病気がなんなのか分かりませんでした。
だから僕はその子のおかあさんに言いました。「大丈夫!僕が治すから!」
その日から僕の将来の夢はお医者さんになりました。
思い返せば、A子と一緒に保健室に行き、インスリンの注射を打つのを見ていたのを覚えています。
あの時の僕は何も考えず「すごいな」としか思ってませんでした。
看護師となった今、彼女の強さを考えさせられます。
だいの大人でさえ、急に病気になることなんて受け入れられない。しかもずっとつきあっていかないといけない病気ならなおさらです。
病院では自分でインスリンを打てるようになるように指導する事があります。
もちろんすぐには出来ません。何回も失敗することがある。それを目にしているからこそ、彼女がその時普通に学校の保健室でインスリンを打てるということがどれだけすごいことなのか今なら分かります。
普通に考えて、小学生が自分の体に針を刺すんですから。
そして、その夢が変わったのが中学生の2年生か3年生の頃。
だんだん大きくなるにつれ、糖尿病が治らない病気であることが分かったからです。
だから、治らないなら医者になっても仕方がない。じゃあどうすればいいのか。
その時、病気の人を治すことはできなくても、側にいて支える事ができる職業を思い出しました。
それが看護師です。
この時看護師という職業が頭に浮かんだのは、祖母の影響が強かったと思います。
そう、祖母も看護師だったんです。今年でもう90歳を超える祖母ですが、小さい頃から働く姿を見る事が多くありました。
よく戦時中の看護師の話など聞いていました。
だから、看護師は自分の生活に近い場所にありましたし、ちょうどこの頃は、男性看護師という言葉がよく聞こえるようになってきていました。
他にはパッチアダムス。
彼は医師でしたが、その生き方や考え方は看護師を目指すうえで、僕の心に強く影響を与えました。
だから、僕は中学の頃から看護師になるのが夢でした。
それ以降、看護師以外の仕事になりたいと思った事はありません。
「どんなことがあっても、患者の側で支える事ができる看護師」
それが、僕の最初に思った看護師像でした。
昔より知識も技術もついたし、出来ることもたくさん増えた。
でも、ストレスや多忙で、業務にばかり目を向け、患者の事を看れない、看ない事がある。
最初の頃の気持ちを忘れてしまうことがある。
僕は看護師しか、自分にできる仕事はないと考えている。
これからもずっと。
そのためにも、初心を忘れず、これからこの道を歩き続けよう。
そういえば、A子とは思春期をさかいにあまり話さなくなり、最後に話したのは中学校の卒業前に少し。もうその内容も覚えていません。
風のうわさでは、今も元気でいるそうです。
あの頃、僕が看護師になるきっかけをくれた全てに感謝しています。